「軽井沢 賃貸」で検索すると、出てくるのはポータルサイトの物件リストばかりです。でも、実際に東京から移住したわが家の実感を先に言うと、軽井沢の賃貸探しは「出てきた物件を比較して選ぶ」探し方ではありませんでした。
わが家は、移住の約半年前から賃貸探しを始め、3泊4日のお試し滞在を挟みながら、内見4〜5件を経て、家賃36万円の賃貸戸建てに入居しました。初期費用は約100万円、家具・引越し費用まで含めると約180万円。2024年10月から、夫婦と小さな子ども、犬2匹でその家に暮らしています。
この記事では、物件リストからは絶対に分からない「軽井沢の賃貸の探しにくさの正体」と、実際にいくらかかったのか、どう探せばいいのかを、わが家の実体験ベースで書きます。
先にお断りしておくと、この記事の相場感は「軽井沢〜中軽井沢エリアで、戸建て・犬2匹可・庭あり・通年居住・家族で住める広さ」というわが家の条件で探した場合のリアルです。単身向けのアパートまで含めれば、10万円台〜20万円台の物件もあります。
まず結論:東京の賃貸探しの常識は、軽井沢では通用しない
| 東京の賃貸探し | 軽井沢の賃貸探し |
|---|---|
| 条件を入れれば候補が何十件も出る | 条件を入れると、1か月見て「住みたい家」は1件あるかないか |
| ポータルで比較して選ぶ | 良い物件はポータルに出る前・出た直後に動く |
| 「賃貸」と書いてあれば住める | 年間貸し・シーズン貸し・定期借家が混在。通年で住めるか要確認 |
| 「ペット可」なら飼える | 犬種・頭数・サイズで条件が変わる。「犬2匹OK」は個別確認 |
| 初期費用は家賃の4〜5か月分が相場 | わが家は初期費用約100万円+家具・引越し約80万円=約180万円 |
| 駅距離・築年数・家賃で比較できる | 森との距離・日当たり・湿気・凍結・除雪まで見る必要がある |
軽井沢の賃貸探しで問われるのは、「いい物件を見つける目」ではありません。良い物件が出た瞬間に動ける状態を、あらかじめ作っておけるかです。
ここからは、わが家の実録→探しにくさの正体→お金→不動産会社の使い分け→手順の順に書いていきます。
わが家の家探し実録:半年前スタートでも余裕はなかった
時系列で書くと、こうなります。
- 移住の約半年前、東京在住のまま賃貸探しを開始
- いきなり移住せず、まず3泊4日で中軽井沢付近のヴィラに滞在。観光ではなく「ここで暮らすとしたらどうか」という目線で、朝の道路、スーパーへの距離、犬の散歩コース、夜の暗さを見て回った
- SUUMOに加えて、軽井沢ランドスケープリサーチ、ナルロワン、ロイヤルリゾートなど地元不動産会社のサイトを毎日のように確認
- 軽井沢〜中軽井沢エリアの戸建てに絞って、内見は4〜5件
- 不動産会社に「条件に合う物件が出たら教えてほしい」と伝えておいたことで、ポータル掲載前・掲載直後の段階で話が来るようになった
- 最終的に、エイブルネットワーク佐久店(株式会社センデン)経由で家賃36万円の戸建てに決定
- 2024年10月に入居
半年前から動いて、それでも「余裕があった」とは言えません。条件に合う物件自体が少ないので、探し始めてすぐ決まるか、何か月も出ないかは運の要素が大きい。だからこそ、早く探し始めて「待てる状態」を作ることに意味がありました。
探しにくさの正体は3つある
1. 条件を入れると、候補が一気に消える
わが家の条件は、正直かなり厳しめでした。
- 軽井沢〜中軽井沢エリア
- 戸建て
- 犬2匹OK
- 庭あり
- 通年で住める
- 家族で住める広さ+駐車場
- 築古すぎず、住んでいて気分が上がる家
この条件で探すと、体感としては1か月ずっとサイトを見続けて、「ここに住みたい」と思える物件が1件あるかないかでした。実際、いま(2026年7月時点)SUUMOで「軽井沢町・一戸建て・ペット可」と絞り込むと、検索結果が1件だけ、ということもあります。北佐久郡全体に広げれば御代田のアパートなども混ざって候補は増えますが、「軽井沢町内の戸建てで、犬と暮らせて、住みたいと思える質感」まで求めると、一気に絞られます。
2. 良い物件は、掲載直後に消える
実体験として一番伝えたいのはここです。いいなと思った物件は、掲載からすぐに電話しても、すでに内見予約が入っていることがありました。
東京のように「週末にゆっくり比較して、来週問い合わせる」という動き方だと、軽井沢では遅い可能性が高い。良い物件はそもそも数が少なく、同じ条件で待っている移住希望者が他にもいるからです。
3. 「賃貸」の中に、住めない賃貸が混ざっている
軽井沢特有のつまずきポイントがこれです。軽井沢の賃貸には、通年で住む普通の賃貸に加えて、夏だけのシーズン貸しや定期借家がかなり混ざっています。たとえばロイヤルリゾートの賃貸ページは「年間貸し(1年〜)」と「シーズン貸し(1か月〜)」が分かれており、シーズン貸しには「2か月で95万円」のような物件もあります。別荘文化の町ならではの市場です。
移住目的で探すなら、物件情報で必ず確認すべきはこの5点です。
- 普通借家か、定期借家か(更新できない契約か)
- 年間貸しか、シーズン貸しか
- 住民票を置いて暮らせる前提の物件か
- 「ペット可」は相談ベースか、犬2匹でもOKか(犬種・頭数・サイズで条件が変わります)
- 冬の設備(凍結防止帯・暖房)が通年居住仕様か
お金のリアル:家賃36万円、入居までに約180万円
わが家の実額を公開します。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 家賃 | 月36万円 |
| 初期費用(敷金・礼金・仲介手数料・保証料・保険など) | 約100万円 |
| 家具・引越し費用 | 約80万円 |
| 入居までにかかった総額 | 約180万円 |
初期費用だけで家賃の約2.8か月分、家具・引越しまで含めると家賃の約5か月分の現金が入居時に出ていきました。「家賃を払えるか」だけで判断すると誤ります。「入居時にまとまった現金を出せるか」まで見ておく必要があります。
家賃帯ごとの体感:30万円が「気分が上がる家」の分かれ目
わが家が見た範囲での、家賃帯ごとの体感です。
| 家賃帯 | わが家が見た範囲の体感 |
|---|---|
| 20万円台 | 戸建てはある。ただし築年数が古い、内装の好みが合わないなど妥協が必要な物件が多く、「ここに住みたい」と気分が上がる家はかなり少なかった |
| 30万円台 | 一気に選択肢の質が変わる。 築浅・新築、庭あり、設備グレード、家としての雰囲気。犬と暮らしやすい家もこの帯から増える |
| 40万円台〜 | 高気密高断熱をうたう物件など、さらに条件が良くなる。ただし定住向けの高グレード物件と、別荘・シーズン貸し的な高額物件(70万円、100万円超も)が混在するため、契約形態の確認が必須 |
公開されている物件でも、20万円で築25年の1LDKという例がある一方、34万円で新築2LDK(約91㎡)、36万円で新築2SLDK(約85㎡)、40万円で約100㎡の高気密高断熱系という例が確認でき、わが家の体感とほぼ一致します。
家賃そのものに加えて、軽井沢では冬の光熱費が月5万円前後かかる時期があります。「家賃+冬の光熱費」が実質の住居費です。生活費全体の実額は生活費の記事にまとめています。
不動産会社・サイトの使い分け(わが家が実際に見ていたもの)
物件リストを眺めるだけでは分からない、各社の使い分けの実感です。
SUUMO — 最初の相場観をつかむには便利でした。ただ、軽井沢の戸建て・ペット可・高グレード物件を本気で探すなら、SUUMOだけでは足りないと感じました。ポータルに出る前に地元の会社から話が来る世界だからです。
エイブルネットワーク佐久店(株式会社センデン) — わが家が最終的に契約した会社です。佐久市・小諸市・御代田町・軽井沢町を対象エリアにしていて、軽井沢町内に限らず東信エリア全体を見ながら相談できるのが、移住検討者には合っていました。
軽井沢ランドスケープリサーチ — いかにも軽井沢らしい雰囲気の物件や、デザイン性の高い物件を見たいときにチェックしていました。価格は安くありませんが、「軽井沢でこういう家に住みたい」というイメージをつかむのに参考になります。
ナルロワン — 軽井沢町長倉の会社で、「軽井沢に住まうこと」を打ち出していて、物件の見せ方も移住者向けに近い印象でした。安いアパートから軽井沢らしい住まい方を意識した物件まで出ています。
ロイヤルリゾート — 物件数が多く、軽井沢らしい賃貸を見るには参考になります。ただし年間貸しとシーズン貸しが混在するので、移住目的なら「通年で住める契約か」を必ず確認してください。
そして、どの会社を使うにしても一番大事なのは、サイトを眺めることではなく、条件を伝えて「出たら教えてもらえる状態」を作ることでした。わが家も、この状態を作ってから話が動き始めました。
わが家の決め手と、妥協したもの
決め手は3つでした。
- 家のデザイン・空気感。東京の賃貸なら駅距離・築年数・家賃で比較できますが、軽井沢の戸建ては、森との距離、日当たり、庭、窓からの景色で満足度がまったく変わります。最終的には「この家に帰ってきたいと思えるか」で決めました
- 築年数と設備が現実的だったこと。30万円台になると家のグレードが体感で一段上がります
- 犬2匹で暮らせる条件が明確だったこと。「ペット可」表記だけでは安心できないので、犬種・頭数まで必ず不動産会社に確認しました
妥協したのは、家賃です。 正直、東京時代よりかなり上がりました。ただ、20万円台で探すと家の雰囲気での妥協が多く、「せっかく軽井沢に移住するのに、この家で気分が上がるか」と考えてしまった。結果的に36万円まで許容したことで、ようやく納得できる家に出会えました。ここは各家庭の価値観次第ですが、わが家は「軽井沢で暮らす満足度は家で決まる」と判断しました。
内見でチェックすべきこと(住んでから分かった分も含めて)
軽井沢の賃貸は、家の雰囲気だけで決めると後悔しやすいです。わが家が実際に暮らして学んだチェックポイントを、テーマ別の記事とあわせてどうぞ。
- 冬:窓の断熱、床暖房の有無、凍結防止帯、駐車場〜玄関の凍結、除雪の範囲(→冬のリアル)
- 湿気:北側の部屋、クローゼットのニオイ、床下、換気のしやすさ、除湿機の置き場所(→湿気とカビのリアル)
- 犬:庭の柵、野生動物の気配、散歩道、玄関の足拭き動線(→犬と暮らす軽井沢)
- 生活動線:ツルヤまでの距離、園・学校への送迎、冬でも車で出やすい道か(→エリア比較)
これから探す人への8ステップ
わが家の経験をそのまま手順にすると、こうなります。
| Step | やること |
|---|---|
| 1 | 半年前から探し始める。 1〜2か月前スタートでは、戸建て・ペット可・家族移住はかなり厳しい |
| 2 | いきなり内見ではなく、住む前提で3泊4日ほど滞在する。見るのは観光地ではなく、朝の道路・スーパーへの距離・夜の暗さ・犬の散歩・雨の日の雰囲気 |
| 3 | SUUMOで相場観をつかむ(ただしSUUMOだけで決めない) |
| 4 | 地元不動産会社のサイトを巡回リストに入れる(エイブルネットワーク佐久店・軽井沢ランドスケープリサーチ・ナルロワン・ロイヤルリゾートなど) |
| 5 | 【最重要】条件を不動産会社に送っておく。「軽井沢〜中軽井沢、戸建て、犬2匹、家族で通年居住、庭あり、予算◯万円まで。合う物件が出たら教えてください」 |
| 6 | 気になる物件は即連絡・即内見予約。「週末にゆっくり検討」では消える |
| 7 | 契約形態を必ず確認する。普通借家か定期借家か、年間貸しかシーズン貸しか |
| 8 | 初期費用は家賃だけで考えない。入居時に家賃5か月分程度の現金が出ていく前提で資金計画を |
賃貸から始めて、わが家は正解だった
最後に、「軽井沢に住むなら買うべきか、借りるべきか」について。
わが家は、いきなり買わずに賃貸から始めました。そしてこれは、わが家にとっては正解でした。軽井沢はエリアごとに暮らしやすさがかなり違い、冬の寒さ、湿気、車の動線、犬の散歩、買い物のしやすさは、実際に住んでみないと分からない部分が多いからです。家賃36万円は安くありませんが、「合わなかったら動ける」という選択肢ごと借りていると考えれば、移住初期の保険としては納得しています。
エリアの当たりをつけるところから始めたい人はエリア比較の記事と軽井沢・御代田・佐久の比較を、そもそも軽井沢移住が向いているか迷っている人は向いている人・向いていない人を先に読んでみてください。
※ 物件の掲載例・家賃・空き状況は流動的です。本文中の物件情報は2026年7月3日時点で各社サイト・ポータルで確認できた掲載例であり、現在の募集状況は各不動産会社に確認してください。相場感は「軽井沢〜中軽井沢で戸建て・犬2匹可・庭あり・通年居住」というわが家の条件で探した場合の体験にもとづくもので、軽井沢全体の平均ではありません。
