「軽井沢に住みたい。でも、高い」——子育て移住の相談を受けると、最後はたいてい、御代田や佐久との比較になります。

わが家は軽井沢に住んでいます。ただ、移住先を決めるときは御代田も佐久も候補に入れ、同じ軸で並べて考えました。この記事は、軽井沢に住むわが家の実感と、御代田・佐久それぞれに実際に住む知人の話を合わせてまとめたものです。観光メディアでも不動産会社でもないので、それぞれの良いところも、不便なところも正直に書きます。

先に結論を言うと、3つの町は「優劣」ではなく「性格」が違います。そして、軽井沢→御代田→佐久の順に、土地の価格は下がり、日常生活の利便性は上がる傾向があります。どこを選ぶかは、自分の暮らし方がどの性格に合うかで決まります。

まず結論:3つの町の「性格」

軽井沢御代田佐久
ひとことで自然・ブランド、住むこと自体に価値軽井沢と佐久の“いいとこ取り”日常生活の便利さが最強
土地・家賃3地域で最も高い中間(坪単価の目安5〜8万)郊外は手頃/佐久平駅周辺は高め(目安10万超)
日常の買い物行くのに時間がかかる日がある佐久へ出る前提大型店が何でも揃う
自然・リゾート感△(週末に軽井沢へ)
子育て・教育自由・のびのび重視の家庭が多い自然系教育・移住者コミュニティが厚い公園・施設が充実
医療(病院)病院はあるが選択肢は限られる佐久・軽井沢の医療を利用小児科・総合病院が近く安心
冬・雪雪より路面凍結に注意軽井沢より少し穏やか・豪雪ではない雪は少なめ/寒さは十分厳しい
東京アクセス新幹線が近い(駅までが鍵)新幹線まで車20分佐久平から新幹線
車社会の性格観光渋滞をよける移動距離が長め生活圏が広い

大切なのは、「どれが優れているか」ではなく、自分の暮らし方がどの町の性格に合うかです。

比較の前に:「東京まで○分」より「総移動時間」で考える

3地域を比べるとき、つい「新幹線で東京まで何分か」で見てしまいます。ですが、子育て移住で効いてくるのは、もっと地味な数字です。

自宅から駅、駅の駐車場、保育園、職場、スーパー、病院まで——これらを自宅起点の総移動時間で考えると、住み心地の評価が大きく変わります。新幹線の所要時間が同じでも、「駅までどう行くか」「駐車場が混まないか」で日々の負担はまったく違うからです。

そしてもう一つの前提として、3地域とも車はほぼ必須です。違うのは「車社会の性格」だけ。軽井沢は観光渋滞をよける車社会、御代田は移動距離が長めの車社会、佐久は生活圏が広い車社会です。

軽井沢:自然・ブランド・教育は抜群。ただし“時間”のコストがある

わが家が住んでいるのが軽井沢です。住んでみての実感は、はっきりしています。

住むこと自体に価値がある町だ、ということ。おしゃれで美味しい店やカフェが多く、雰囲気や空気そのものが良い。森が近く、子どもをのびのび育てたい家庭が集まる。ここに価値を感じられるかが、軽井沢移住の核心です。

一方で、軽井沢の不便は「お金」より「時間」で表れます。

  • 夏・ゴールデンウィーク・紅葉シーズンは、生活道路まで渋滞します
  • 「スーパーが遠い」のではなく、「スーパーまで行くのに時間がかかる日」があります
  • ツルヤ軽井沢店は混雑するため、御代田や佐久まで買い物に行く住民も多いです
  • 軽井沢駅周辺の駐車場は、朝早く満車になることがあります
  • 新幹線通勤は便利ですが、「駅までどう行くか」が意外と重要です

冬は、雪そのものより路面の凍結が怖い町です。標高が高く湿気や霧の多いエリアがあり、日当たりで寒さや雪解けがかなり変わります。家の断熱性能で快適さがまるで違い、水抜き・水道凍結対策は毎冬の習慣になります(詳しくは軽井沢の冬のリアル)。

子育ての面では、子どもが自然の中で遊ぶ時間が圧倒的に増え、リモートワークとの相性も非常に良い。

出会う家庭の雰囲気も、東京とは少し違います。勉強をたくさんさせることより、子どもの意思を尊重して、自由にのびのび育てたいと考える、子どもへの愛情が深い家庭が多い印象です。イートンハウスのようなインターナショナルスクールに通わせる熱心な層も一部にはいますが、全体としては、自然の中で子どもを育てたいという価値観で集まった家庭が多く、近い感覚の人に出会いやすいと感じます。ただし、保育園や学校への送迎は車が基本になります(風越学園と住むエリア保育園の申込)。

価格は3地域で最も高い。軽井沢が向いているかどうかは、向いている人・向いていない人もあわせて読んでみてください。

御代田:「軽井沢を楽しみ、佐久で暮らす」使い分けがしやすい

御代田町の最大の価値は、立地です。御代田に住む知人がそろって言うのが、「軽井沢にも佐久にも車で約20分」という中間性。日用品は佐久、休日は軽井沢、という生活になりやすい町です。もちろん、町内だけで生活が完結するわけではありません。

  • 価格は軽井沢より安く、車前提の生活なら現実的な選択肢です
  • イオン・ユニクロ・家電量販店は佐久へ行く家庭が多い
  • ツルヤは御代田店と佐久方面を使い分ける人が多い

子育て世帯にとって見逃せないのが、移住者コミュニティの厚さです。森のようちえんや探究教育など、自然系の教育を選びやすく、親同士の横のつながりができやすい。教育に親が参加する文化も比較的強いと聞きます。MMoPのような複合施設や個人カフェも増えており、町の楽しみは御代田のカフェまとめに整理しています。

地域性も軽井沢とは少し違います。軽井沢より地域コミュニティが近く、地区イベントや自治会との関わりが残っている。地元住民と移住者が混在している町です。これを「面倒」と取るか「安心」と取るかは人によります。

気候は軽井沢より少し暖かく、湿気が少なく感じる住民が多い。雪は降りますが、豪雪地帯ではありません。

通勤は、東京通勤も可能ではあります。ただし週3〜5日の通勤は現実的にはかなりの負担で、ハイブリッド勤務との相性が良い町だと考えた方が無難です。

佐久:日常生活の快適さは、3地域でいちばん

佐久市の特徴は、ひとことで言えば「困ることがほとんどない」こと。大型スーパー、ホームセンター、病院、外食チェーンが揃い、生活コストも比較的抑えやすい。チェーン店がとにかく多く、店もとにかく大きい。東京では考えられないような大型遊具のある公園もあり、便利で生活しやすい印象です。

ただし、ひとくちに「佐久」と言っても、エリアでまったく違います。佐久平と、臼田・野沢・望月では、別の街と言っていいほどです。佐久平駅周辺は土地価格が高い一方、郊外は土地が広く価格も下がります。

子育ての安心材料は、小児科や総合病院が近いこと。一方で、保育園事情はエリアによってかなり違い、雨の日の大型屋内遊び場は意外と多くありません。送り迎えは車が前提です。

冬は、軽井沢より雪は少ないものの、寒さは十分に厳しい。凍結防止剤による車の錆対策をする家庭が多く、スタッドレスタイヤは必須です。

通勤は、新幹線(佐久平駅)を使えば東京通勤も可能。ただし駅近以外は基本的に車生活で、駅前でも送迎や駐車場が混雑することがあります。

自然リゾート感は軽井沢より弱いですが、暮らしの便利さは頭ひとつ抜けています。「自然は週末に軽井沢で味わえればいい」という家庭には、佐久はとても合理的な選択です。

結局どこがおすすめ?タイプ別の選び方

3地域を実際に比べて見えてきたのは、次のような違いです。

  • 軽井沢が向く人:自然・ブランド・教育環境を最優先でき、観光シーズンの“時間コスト”を許容できる人。価格より、住むこと自体の価値を取れる人。
  • 御代田が向く人:軽井沢の良さを休日に享受しつつ、価格と生活利便のバランスを取りたい人。移住者コミュニティや自然系教育を重視する人。
  • 佐久が向く人:医療・買い物・コストなど日常の便利さを最優先する人。自然リゾート感は週末で十分という人。

そのうえで、どの町も車がほぼ必須という共通点があります。「東京まで○分」ではなく、自宅から駅・駐車場・保育園・職場までを含めた総移動時間で、自分の毎日を具体的に想像してみてください。住み心地の評価は、それで大きく変わります。

よくある質問

御代田は雪が多い?

御代田は軽井沢より少し暖かく、湿気も少なめだと感じる住民が多い町です。雪は降りますが、豪雪地帯ではありません。むしろ軽井沢は、雪の量そのものより、朝晩の路面凍結に注意が必要です。

軽井沢から佐久は遠い?

御代田が両者のほぼ中間にあり、御代田から軽井沢駅・佐久平駅へはそれぞれ車で約20分です。軽井沢に住んでいても、ツルヤ軽井沢店の混雑を避けて佐久方面まで買い物に行く家庭は珍しくありません。日常的に車で行き来できる距離感だと考えてよいでしょう。

車なしで暮らせる?

正直なところ、3地域とも車はほぼ必須です。駅の近くに住み、リモートワーク中心で送り迎えが少ない家庭なら成り立つ場面もありますが、保育園・買い物・通院・駅への送迎が重なる子育て世帯では、車があるほうが圧倒的に楽です。

子育てするなら結局どこがいい?

ひとつの正解はありません。自然と教育環境を最優先するなら軽井沢、価格と生活利便のバランスや移住者コミュニティを重視するなら御代田、医療や買い物など日常の安心を取るなら佐久、が大まかな目安です。

わが家が、それでも軽井沢を選んだ理由

正直に言うと、御代田も佐久も本当に良い町です。価格と利便性だけで考えれば、車前提の暮らしなら御代田や佐久の方が合理的かもしれません。

それでもわが家が軽井沢を選んだのは、結局のところ、この町の雰囲気と空気に住む価値を感じたからです。おいしい食事とカフェ、すぐそこにある森、価値観の近い家庭との出会い。日常の便利さでは佐久に及ばず、コスパでは御代田に及ばない。それでも、毎日を過ごす場所としての心地よさを優先しました。

最後に問うべきなのは、「どこが一番便利か」ではなく、自分は何にお金と時間を使いたいかだと思います。3地域は優劣ではなく性格の違い。その性格と、自分の暮らし方が重なる町が、あなたにとっての正解です。

エリアや住まいの具体的な相談は、住んでいる目線でLINEからお答えしています。


※ 情報は2026年6月25日時点のものです。坪単価などの価格はあくまで目安で、エリアや時期で大きく変わります。最新の相場は不動産情報で確認してください。