軽井沢は、避暑地として栄えた歴史のぶん、昭和から続く純喫茶と、歴史的建築を生かしたレトロカフェが今も残る町です。純喫茶の代表格は、約400客のカップから一客を選んでくれる茜屋珈琲店(神戸三宮1966年創業)、水出しコーヒーと暖炉の旦念亭(1978年〜)、モカソフトのミカド珈琲 旧道店。ジョン・レノン一家がショーンを連れて通った離山房や、芦屋から洋館を移築した珈琲歌劇 CAFE L'OPERA、国登録有形文化財の涼の音もあります。
この記事では、軽井沢に暮らす編集部が、レトロカフェ・純喫茶を**「ブランド創業年」と「軽井沢での開業年」を分けて**整理し、確認日つきの営業の注意点まで併記します。「創業年だけを載せて雰囲気を語る」観光メディアや口コミ一覧とは、ここが違います。
※ 掲載は2026年8月13日時点で確認した公開情報と実訪問時の状況です。老舗は営業時間・定休日が読みにくく、季節休業もあります。おでかけ前に各店の公式情報でご確認ください。各店の地図・詳細は軽井沢カフェガイドにまとめています。
30秒で選ぶ:レトロカフェのタイプ別
- 昭和から続く純喫茶・老舗珈琲 → 茜屋珈琲店(1966)・旦念亭(1978)・ミカド珈琲 旧道店(1952開店)
- ジョン・レノンゆかりの店 → 離山房(1977年夏から3年間、一家が来訪)
- 歴史的建築で過ごすカフェ → 珈琲歌劇 L'OPERA(芦屋から移築した洋館)・涼の音(国登録有形文化財)・追分喫茶室(旧油屋旅館)・一房の葡萄(有島武郎の別荘)
- 朝から入れる老舗 → 旦念亭(モーニング〜11時)・ブランジェ浅野屋 旧道本店(朝8時〜)
- 和のレトロ・甘味 → ちもと総本店(名物ちもと餅)
創業年・軽井沢開業年で辿る老舗カフェ
「創業年」と一口に言っても、ブランドの創業地は東京や神戸で、軽井沢に店を構えたのは後年という店が少なくありません。ここを分けて並べると、町の喫茶史が正確に見えてきます。
| 店 | ブランド創業 | 軽井沢での開業 | 業態・名物 |
|---|---|---|---|
| ブランジェ浅野屋 旧道本店 | 1933年(東京・麹町) | 1940年 | 老舗ベーカリー。石窯焼きのパン |
| ミカド珈琲 旧道店 | 1948年(東京・日本橋) | 1952年 | コーヒー専門店。モカソフト・ブレンド「旧軽通り」 |
| 茜屋珈琲店 | 1966年(神戸・三宮) | 公式未掲載=要確認 | 炭火焙煎。約400客のカップから一客を選ぶ |
| 離山房 | 1977年(軽井沢) | 1977年 | ジョン・レノン一家ゆかりの喫茶 |
| 旦念亭 | 1978年(軽井沢) | 1978年 | 珈琲館。水出しコーヒー・暖炉・浅間山ビュー |
| 珈琲歌劇 L'OPERA | 1982年(軽井沢) | 1982年 | 芦屋から移築したテューダー様式の洋館 |
| 丸山珈琲 軽井沢本店 | 1991年(軽井沢) | 1991年 | 軽井沢発スペシャルティコーヒーの1号店 |
※ 年は各店の公式・公開情報にもとづきます。旦念亭を「1878年創業」と記す媒体がありますが、正しくは1978年です。軽井沢生まれの店(離山房・旦念亭・珈琲歌劇・丸山)は創業=軽井沢開業、東京・神戸発の店(浅野屋・ミカド・茜屋)は両者が異なる点に注意してください。
昭和から続く純喫茶・老舗珈琲店
茜屋珈琲店(1966年神戸三宮創業)|約400客のカップから一客を
炭火焙煎のコーヒーを、約400客のカップからマスターが客に合わせて選んで出してくれる喫茶。コーヒーは一杯約1,000円と老舗価格で、作業や長居ではなく「喫茶の時間」を味わう店です。軽井沢には旧軽銀座の旧道店と軽井沢駅北口の駅前店があります。旧道店は営業時間が公式未掲載=要確認。駅前店は「9〜18時・年中無休・駐車2台・テラス犬同伴可」とされますが、これも公式サイト未掲載の参考情報のため、来店前の電話確認が安全です。
旦念亭(1978年〜)|水出しコーヒーと暖炉のある珈琲館
軽井沢駅北口から徒歩約2分、1978年から続く珈琲館です。名物は時間をかけて抽出した**水出しアイスコーヒー(800円)**とオリジナルチョコレートケーキ(750円)。冬は暖炉があり、窓から浅間山が見えます。通常9時(GW・SW・7〜9月は8時)から夜19時まで開き、モーニングは11時まで。水曜定休・駐車9台・ペット不可。朝から夜まで入れる貴重な老舗です(朝の選択肢はモーニング開店時刻早見表へ)。
ミカド珈琲 軽井沢旧道店(1952年開店)|モカソフトの喫茶
1948年に東京・日本橋で創業し、1952年に軽井沢旧道店を開いたコーヒー専門店です。名物はソフトクリームのモカソフトと、開店時に生まれたブレンド「旧軽通り」。豆販売・テイクアウトも併設しています。注意点は、営業時間が月替りなこと。公式サイトの当月掲示を見てから出かけるのが確実です。
ジョン・レノンゆかりの店
離山房(1977年〜)|一家がショーンを連れて通った喫茶
軽井沢のレトロ喫茶で最も物語性があるのが、1977年開業の離山房です。店名は作家・水上勉の命名。ジョン・レノンとオノ・ヨーコ夫妻が、1977年夏から3年間、息子ショーンを連れて通ったことで知られ、夫妻お気に入りは店奥の東屋だったと公式が伝えています。名物はブレンドとブルーベリージュース。
ただし訪問には注意が要ります。冬季(12〜3月)は休業し、水木も定休。さらに休業明けの再開告知が遅れることもあるため、遠方から行くなら電話で営業を確かめてからが安心です。
歴史的建築で過ごすレトロカフェ
軽井沢には、洋館や文人ゆかりの建物をそのまま生かしたカフェがあります。建物の歴史が主役の一群です(店の開業年と建物の歴史は別ものとして読んでください)。
珈琲歌劇 CAFE L'OPERA|芦屋から移築した洋館(1982年〜)
旧軽井沢ロータリー近く、1982年に兵庫・芦屋からテューダー様式の洋館を移築して開いた喫茶店です。厳選した珈琲や紅茶を、ロイヤルコペンハーゲンやノリタケの器で、約2杯分のポットサービスでゆっくり。建物そのものが主役の大人のティータイム向けです(ペット不可)。公式に営業日が出るのは6〜8月が中心のため、必ず公式で営業日を確認してから向かってください。
旧軽井沢Cafe 涼の音|国登録有形文化財の建物
犀星の道沿いに建つ、国の登録有形文化財の建物を生かしたカフェ。朝9時からモーニングがとれる静かな一軒で、レトロな建築とゆったりした時間が魅力です。冬季は休業(例年3月下旬再開)なので、季節に注意して。
追分喫茶室(信濃追分 油や)|文人が滞在した旧旅館
堀辰雄・立原道造ら文人が滞在した**旧油屋旅館を再生した文化施設「油や」**内の喫茶室。障子と格子戸の昭和の空間でコーヒーを楽しめます。11月上旬〜春は冬季休業のため、営業期間を確認してから。
ライブラリーカフェ 一房の葡萄|有島武郎の別荘を使う文学カフェ
**有島武郎の別荘「浄月庵」(明治末期築)**の1階を使う、文学館併設のライブラリーカフェ。高原文庫に入館しなくても利用できます。4月〜11月上旬の季節営業です。
このほか、宿泊なしでクラシックホテルの喫茶を味わえる万平ホテル カフェテラス(名物アップルパイ・テラス犬可)、英国風の一軒家で自家焙煎コーヒーを出すカフェ・ル・プティ・ニ・トロワ(発地)も、レトロな雰囲気で過ごせます。
老舗ベーカリー・甘味のレトロ
ブランジェ浅野屋 軽井沢旧道本店(1933年創業・1940年軽井沢)
軽井沢の喫茶史の起点ともいえる老舗ベーカリー。東京・麹町で1933年に創業し、1940年に軽井沢へ。石窯焼きのパンを朝8時からイートインでき、旧軽散歩の朝の定番です。専用駐車場はないので、旧軽井沢の共用駐車場に停めて歩くのが現実的です(駐車場のあるカフェまとめも参考に)。
ちもと総本店 軽井沢本店|名物ちもと餅の甘味処
旧軽散歩の途中に寄れる甘味処。名物のちもと餅、夏はかき氷、蕎麦・うどんもあります。冬も営業しますが不定休が増えるため、寒い時期に狙って行くなら営業日の確認を。
軽井沢発コーヒー史の補足:昭和の純喫茶ではありませんが、丸山珈琲 軽井沢本店は軽井沢発で全国区になったスペシャルティコーヒーの1号店(1991年)。老舗巡りの締めに現代の名店を訪ねるのもおすすめで、専用駐車場15台があり通年営業なので予定の保険にもなります。
訪問前チェックリスト|老舗は「営業が読めない」
レトロ喫茶をめぐるときの最大の落とし穴が、営業日・時間の読みにくさです。当サイトが確認した範囲でも、次のような癖があります。行っても閉まっていた、を防ぐため、公式SNS・電話 → Googleマップの順で確認してください。
| 店 | 注意点 |
|---|---|
| ミカド珈琲 旧道店 | 営業時間が月替り。公式の当月掲示を確認 |
| 茜屋珈琲店 旧道店 | 営業時間が公式未掲載=要確認 |
| 珈琲歌劇 L'OPERA | 公式の営業日掲載は6〜8月が中心 |
| 離山房 | 冬季(12〜3月)休業・水木定休・再開告知が遅れることも |
| 涼の音/追分喫茶室/一房の葡萄 | いずれも冬季・季節休業あり |
| ちもと総本店 | 冬は不定休が増える |
冬に開いている店をまとめて知りたいときは冬も開いているカフェ全リストに営業確認つきでまとめています。
わが家の老舗カフェの楽しみ方
中軽井沢に暮らすわが家は、老舗喫茶を「観光」ではなく「季節の楽しみ」として使っています。夏は旦念亭の水出しアイスコーヒーで涼み、旧軽散歩の途中にミカド珈琲のモカソフト、というのが定番。一杯1,000円前後の老舗価格の店は、長居ではなく「一杯を味わう時間」と割り切ると満足度が上がります。
営業が読みにくい店が多いので、遠方の友人を案内するときは前日までに営業日を確認し、閉まっていたときの保険として通年営業の丸山珈琲 本店や万平ホテルを近くに組み込んでおくと、予定が崩れません。
※ 軽井沢〜塩沢エリアには、当サイトでまだ公式確認・実訪問ができていないレトロ喫茶もあります。確認でき次第、軽井沢カフェガイドと本記事に追加していきます。
☕ カフェを探す軽井沢のカフェを、作業向き・子連れ・犬連れ・通年営業で絞って選べます。よくある質問
軽井沢で創業・開業が古いカフェはどこですか?
当サイトで創業・開業年を確認できた掲載店では、ブランジェ浅野屋(1933年に東京・麹町で創業、1940年に軽井沢進出)が最古級です。軽井沢での開業年が確認できるコーヒー専門店では、ミカド珈琲 軽井沢旧道店が1952年開店で代表的な老舗です(いずれも旧軽井沢銀座周辺・2026年8月時点)。
軽井沢でジョン・レノンゆかりのカフェはどこですか?
離山房(1977年開業)です。ジョン・レノンとオノ・ヨーコ夫妻が、1977年夏から3年間、息子ショーンを連れて通った喫茶店として知られ、店奥の東屋がお気に入りだったと公式が伝えています。冬季(12〜3月)休業・水木定休で、再開告知が遅れることもあるため、訪問前に電話で営業を確認してください。
昭和レトロな純喫茶に行くならどこがおすすめですか?
炭火焙煎で約400客のカップから一客を選んでくれる茜屋珈琲店、水出しアイスコーヒーと暖炉の旦念亭、モカソフトのミカド珈琲が、昭和の空気を残す純喫茶の代表格です。いずれもコーヒーは老舗価格(一杯800〜1,000円前後)で、雰囲気とともに一杯をゆっくり味わう店です。
歴史的な建物のカフェに行きたいのですが?
洋館なら珈琲歌劇 CAFE L'OPERA(芦屋から移築したテューダー様式)、国登録有形文化財なら涼の音、文人ゆかりなら追分喫茶室(旧油屋旅館)や一房の葡萄(有島武郎の別荘)が候補です。クラシックホテルの喫茶を宿泊なしで味わうなら万平ホテル カフェテラスもおすすめです。いずれも季節休業や営業日の制約があるため、事前確認を。
レトロカフェは冬でも開いていますか?
旦念亭・ミカド珈琲・丸山珈琲本店・万平ホテルは通年営業ですが、離山房は冬季(12〜3月)休業、涼の音・追分喫茶室・一房の葡萄は季節営業、珈琲歌劇 L'OPERAは公式の営業日掲載が6〜8月中心です。冬に開いている店は「冬も開いているカフェ全リスト」に営業確認つきでまとめています。
確認方法・出典・更新履歴
確認方法:各店の創業・開業年、名物、営業は、店舗公式サイト・公式SNS等の公開情報と、当サイトの実訪問(訪問済みの店)をもとに2026年8月13日時点で整理しました。創業年は公開情報で確認できた年を記載し、媒体間で表記が異なる場合(旦念亭など)は当サイトで確認できた年を優先しています。営業情報が公式サイトに未掲載の項目(茜屋の各店など)は「要確認」と明記しています。各店の連絡先・地図・実訪問レポは軽井沢カフェガイドの店舗ページにまとめています。
注意:老舗は営業時間・定休日・季節休業が変わりやすく、臨時休業もあります。訪問前に各店の最新の公式情報をご確認ください。
更新履歴
- 2026年8月13日:初版公開(掲載店の創業・軽井沢開業年、営業を確認日 2026-08-13 で整理)

