移住前、買い物は「不便になるもの」だと思っていました。東京ではライフやマルエツが徒歩圏にあり、深夜でもコンビニがある。山の中の町に引っ越せば、選択肢は減り、遠くなり、高くなる——そう覚悟していました。

実際は、ブランド品を除けば、むしろ便利になりました。

結論:軽井沢の日常の買い物は「ツルヤで揃うもの」「佐久・御代田まで行くもの」「通販に頼るもの」の3つに分けると、ほぼ全体像がつかめます。 そして住んでみると、大半は1つ目のツルヤで完結します。東京の感覚で「何でも近くにある」は失われますが、かわりに「安くて質が高くて広い店が、空いていて、駐車場が無料」という別の便利さが手に入ります。車2台で暮らすわが家に関しては、ネット通販すらほとんど使わなくなりました。

わが家は2024年10月に東京から移住した、夫婦・小さな子ども・犬2匹の世帯です。この記事では、ほぼ毎日スーパーに通う生活を約1年9か月回した実感を、**「どの店で・何を・どれくらいの頻度で買うか」**という運用レベルまで具体的に書きます。

  • 公式情報:各店の営業時間・場所など、公表されている情報(2026年7月11日時点)
  • わが家の実感:実際の使い分け・金額感・お気に入り・東京との比較

営業時間や取扱いは変わることがあります。おでかけ前に各店の最新情報をご確認ください。

まず結論:わが家の買い物マップ

住民の買い物は、行き先ごとに役割がはっきり分かれます。わが家の実際の運用がこれです。

行き先頻度買うもの
ツルヤ軽井沢店ほぼ毎日食材・日用品のほぼすべて(20時まで)
DCM(ホームセンター)必要時園芸用品、殺虫剤、ペット用品、ちょっとした家具・家電
デリシア軽井沢店・ツルハ・ヤオトク夜間・早朝の買い足しツルヤが閉まった後(デリシアは22時・夏は23時まで、ツルハは22時まで、駅前のヤオトクは6時〜23時)
発地市庭(直売所)たまに朝採れ野菜・掘り出し物
佐久・御代田方面週1程度(夏は月1)チェーン外食、家電・おもちゃ、衣料品、大型ホームセンター
ネット通販ほぼ使わない町で売っていないものだけ(車の純正アクセサリー・ブランド服など)

移住前に想像していた「通販頼みの山暮らし」とは逆で、リアル店舗で完結する買い物になりました。ここからは、この一つひとつを具体的に見ていきます。

ツルヤ軽井沢店:わが家の買い物の大半はここで完結する

軽井沢の買い物を語るなら、まずツルヤです。地元・別荘族・観光客のすべてに愛される長野のご当地スーパーで、わが家はほぼ毎日通っています

  • 場所:中軽井沢(長倉)。国道18号バイパス沿い
  • 営業時間:月〜土 9:30〜20:00、日 9:00〜20:00(特別営業時間は公式のお知らせを確認)
  • 駐車場:486台・無料(駐輪場20台)

普段の買い物は1回3,000〜4,000円ほど。週2回くらい食卓を豪華にする日があり、その日は1万円ほど使います。食費全体の感覚は軽井沢の生活費のリアルにまとめていますが、買い物の質に対する満足度は東京時代より明らかに上がりました。

東京のスーパーと比べて、何が違うのか

東京ではライフやマルエツ、有機系の宅配も使っていました。それらと比べたわが家の率直な実感です。

  • 安いのに質が高く、量も多い。特に野菜・果物は、鮮度と価格のバランスが東京の感覚と別物です
  • 海なし県なのに、魚が美味しい。これは移住前に想像していなかった意外な発見でした
  • 店が広く、基本は空いている。子どもがカートの横を歩けるくらい通路が広く、駐車場の心配も料金もない
  • オリジナル商品(PB)が豊富。ジャム・ジュース・コーヒーなど、ツルヤブランドだけで棚が埋まるレベルです

東京は「何でもある」けれど、実際には使わない店が多く、狭くて、人が多くて、高い。軽井沢は「選択肢は少ない」けれど、日常に使う1軒の質が高い。買い物の便利さの種類が違う、というのが約1年9か月住んだ結論です。

わが家のツルヤ名品リスト

ほぼ毎日通うわが家が、実際にリピートしているものです(価格は購入時の目安です)。

  • オリジナルのパン(100〜300円):この価格帯でこの味は、正直圧倒的なコスパだと思います
  • おやき(辛い野沢菜):信州らしさを一番手軽に食卓に足せる一品
  • りんごバターアイスクリーム:ツルヤ名物のりんごバタージャムをアイスにした共同企画品。子どもの大好物です
  • ミニトマト(200円ほど):安くて味が濃い。子どものおやつ代わり
  • オリジナルジャム:種類が豊富で、お土産にも定番
  • オリジナルのコーヒー豆:定番のオリジナルブレンドは軽井沢の丸山珈琲の焙煎によるもの。上位ラインでは京都・小川珈琲と共同開発した有機栽培コーヒーもあります
  • ストレートのりんごジュース・ラ・フランスジュース:果汁100%ストレートがこの価格で日常買いできるのは長野の特権です

観光メディアでは「お土産スポット」として紹介されるツルヤですが、住民にとってはこの品質が日常になります。それが軽井沢暮らしの地味で大きな幸福です。

20時の壁:夜はデリシア・ツルハ・ヤオトク

軽井沢の買い物で東京と一番違うのは、閉店時間です。ツルヤは20時で閉まります。深夜営業のスーパーが立ち並ぶ生活からは、ここが最初の切り替えポイントです。ただ、20時以降・早朝の受け皿は町内に複数あります。

  • デリシア軽井沢店(軽井沢駅近く):9:00〜22:00、7月1日〜9月30日は23:00まで。長野県の地域密着スーパーで、ネットスーパーも展開しています
  • ツルハドラッグ軽井沢店:9:00〜22:00。医薬品だけでなく食品・日用品の買い足しにも使えます
  • ヤオトク(軽井沢駅前):6:00〜23:00。ファミリーマートと一体になった地元スーパーで、早朝・夜間の少量の買い足しに便利です

わが家も、ツルヤが閉まった後の買い足しはデリシアと決めています。率直な使用感としては、ツルヤに慣れた身には価格は高めに感じますが、「夜10時(夏は11時)まで開いているスーパーが町内にある」という安心感は、それだけで価値があります。普段使いはツルヤ、夜間・駅周辺での用事ついではデリシア、という使い分けに落ち着きました。

町内で揃うもの:DCM・カインズ・ドラッグストア・発地市庭

スーパー以外も、日常レベルなら町内でほぼ揃います。

ホームセンター(DCM・カインズ)

中軽井沢にはDCMとカインズがあり、わが家は園芸用品・殺虫剤・ペット用品・ちょっとした家具や家電はDCMでまとめています。犬2匹の消耗品も含めて、日常のモノまわりはここで足ります。ただし営業時間は19時台までと短めなので、夜の駆け込みはできません。

東京と比べて驚いたのは、ホームセンターの規模です。売り場が広く、品揃えが多い。DCMでも十分すぎるほどですが、後述する佐久のカインズはさらに大きく、「ホームセンターは郊外の方が圧倒的に強い」を実感します。

ドラッグストア

ツルハドラッグなど、ドラッグストアも町内に複数あります。日用品・医薬品はツルヤと使い分けつつ町内で完結します。

発地市庭(直売所)

町内最大級の農産物直売所が、南軽井沢の発地市庭(ほっちいちば)です。わが家もたまに行きますが、地元農家の朝採れ野菜が、時々信じられないような価格で並んでいます。敷地内にはチーズ工房アトリエ・ド・フロマージュの店舗もあり、ここのアイス(ソフトクリーム)が美味しくて、子連れの楽しみになっています(営業日・営業状況はおでかけ前に公式でご確認ください)。

なお、発地市庭は肉・魚・洗剤まで揃う総合スーパーではありません。わが家では、普段の食材はツルヤ、旬の野菜や週末の楽しみは発地市庭、と役割を分けています。軽井沢駅から町内循環バス(東・南廻り線、運賃100円)で行ける数少ない買い物スポットでもあります。

佐久・御代田まで行くもの:週1の「郊外デー」

軽井沢で揃わないものは、車で30〜40分の佐久平エリアが受け皿です。わが家は週1回ほど、用事をまとめて佐久方面へ行きます。

わが家が佐久まで行く目的は、だいたいこの4つです。

  • 子どもとチェーン外食:サイゼリヤや回転寿司のような店は軽井沢にはほぼないので、佐久で
  • 家電・おもちゃ:ヤマダデンキは軽井沢にもありますが、売り場はコンパクト。じっくり選ぶなら佐久の店舗の方が選択肢が多いです
  • 衣料品:下着や普段着が必要になったらユニクロ佐久北インター店へ(住所は小諸市ですが、佐久平方面の買い物動線上にあります)
  • カインズ佐久平:大きな遊具のある公園とセットで。DCM軽井沢も広いのに、それを上回る規模です

イオンモール佐久平もあり、「モールでまとめて済ませる買い物」はこのエリアの役割です。つまり、軽井沢の暮らしは「毎日の買い物は町内、週1で佐久平」という二層構造になります。エリア選びの観点も含めた比較は軽井沢・御代田・佐久の子育て移住比較にまとめています。

通販:意外なほど使わなくなった

移住前は「田舎暮らし=Amazonと生協が生命線」というイメージでした。実際のわが家は逆で、ネット通販をほとんど使わなくなりました

理由は単純で、ツルヤ・DCM・佐久で安く全部揃うからです。いま通販を使うのは、町や佐久で売っていないもの——車の純正アクセサリーや、特定ブランドの服など——に限られます。生協やネットスーパーの類も、わが家は使っていません。

なお、宅配便自体はまったく問題なく届きます。わが家の実感では置き配が実用的で、配達員さんが家を覚えて置き配してくれることもあります。「通販が使いにくいから減った」のではなく、**「リアル店舗が強すぎて出番がない」**というのが正確なところです。

夏の混雑:住民の回避術

ここまで「基本は空いていて快適」と書いてきましたが、例外が夏です。7〜8月の軽井沢は観光・別荘シーズンで人口が膨れ上がり、ツルヤの駐車場に入庫待ちの列ができ、レジが全開でも行列になる日があります。旧軽井沢やアウトレット周辺の渋滞は、地元紙が報じるレベルの恒例行事です。

わが家の夏の運用はこうです。

  • アウトレット周辺・旧軽方面には近づかない。批判ではなく、住民の知恵としてのルート選択です
  • 佐久方面への外出は月1程度まで減らす。18号や碓氷軽井沢IC方面の渋滞に巻き込まれる外出は、夏はまとめて済ませます
  • ツルヤ通いは変えない。時間帯と曜日の感覚さえつかめば、日常の買い物は夏も回ります

軽井沢町も、観光シーズンの渋滞対策としてパーク&ライドや迂回路の利用を案内しています。混雑日の代替候補にはツルヤ御代田店もありますが、御代田方面の道路自体が混む日もあるため、必ず空いているとは限りません。夏の暮らし全般の注意点は軽井沢の湿気とカビのリアルにも書いています。

買い物は車前提:車なしの成立条件も正直に

ここまでの便利さは、車がある前提の話です。わが家も車2台で、買い物はすべて車です。

車なしで成立するかは、住む場所しだいです。軽井沢駅周辺ならデリシアやヤオトクが徒歩圏になり、デリシアのネットスーパーや、発地市庭へ行ける町内循環バス(100円)といった手段もあります。ただし、ホームセンターや佐久平への買い出し、子どもや犬がいる世帯のまとめ買い、冬の移動まで考えると、車がある方が大幅に楽というのが正直なところです。

冬は路面凍結で運転に気を使う時期がありますが、わが家の買い物の頻度自体は冬もほぼ変わりません(雪の日の運転や冬の暮らしは軽井沢の冬のリアルにまとめています)。車を持たない移住を考えている場合は、住む場所選びの段階で「徒歩圏に何があるか」を最優先で確認してください。

品目別:どこで買うか早見表

わが家の実際の使い分けを、品目別にまとめます。

品目行き先
毎日の食材・日用品ツルヤ軽井沢店(20時まで)
夜間の買い足し(20時以降)デリシア軽井沢店(22時・夏は23時まで)、ツルハドラッグ(22時まで)
早朝・夜間の少量の買い足しヤオトク(軽井沢駅前・6時〜23時)
朝採れ野菜・掘り出し物発地市庭(軽井沢駅から循環バス100円でも可)
園芸用品・殺虫剤・ペット用品DCM(町内)
医薬品・日用品の買い足し町内のドラッグストア
大型家電・おもちゃ佐久のヤマダデンキ(軽井沢店より売り場が大きい)
衣料品・下着佐久のユニクロ
大型ホームセンター需要カインズ佐久平
チェーン外食(子連れ)佐久平エリア
町で売っていないもの(車の純正品・ブランド服など)ネット通販

よくある質問

軽井沢の買い物はツルヤだけで足りますか?

日常の食材・日用品なら、わが家はほぼツルヤ軽井沢店だけで回っています。足りないのは、大型家電・衣料品・チェーン外食などで、それらは週1回ほど佐久平エリアでまとめています。ブランド品を除けば、買い物で困ることはほぼありません。

軽井沢のスーパーは何時まで開いていますか?

ツルヤ軽井沢店は20時まで(月〜土9:30開店、日曜は9:00開店)です。20時以降は、デリシア軽井沢店が22時(7月1日〜9月30日は23時)まで、ツルハドラッグが22時まで、軽井沢駅前のヤオトクが6時〜23時で営業しており、夜間・早朝の買い足しの受け皿になります。年末年始などの特別営業は各店の公式でご確認ください。

東京より食費・物価は高いですか?

わが家の実感では、日常の食材はむしろ安く、質は高くなりました。東京で使っていたスーパーと比べても、野菜・果物の鮮度と価格は軽井沢(ツルヤ)に軍配が上がります。一方、外食の選択肢やチェーン店の価格競争は東京の方が強く、「何を重視するか」で答えが変わります。

夏の混雑はどのくらい影響しますか?

7〜8月の週末は、ツルヤの駐車場に入庫待ちができ、アウトレットや旧軽井沢周辺は深刻に渋滞します。住民は観光エリアを避けて動き、混雑日はツルヤ御代田店へ流れる人もいます。わが家は夏の間、佐久方面への外出を月1程度に減らしますが、日常のツルヤ通いは夏も変わらず回っています。

ネットスーパーや生協は必要ですか?

わが家は使っていません。ツルヤ・ホームセンター・佐久で安く揃うため、通販の出番は町で売っていないもの(車の純正アクセサリーや特定ブランドの服など)に限られます。なおデリシアはネットスーパーを展開しているので、必要な世帯には選択肢があります。

車がなくても買い物できますか?

住む場所によります。軽井沢駅周辺ならデリシア・ヤオトクが徒歩圏になり、デリシアのネットスーパーや町内循環バス(発地市庭へ100円)という手段もあります。一方、ホームセンター・佐久平への買い出しや、子育て世帯のまとめ買い、冬の移動まで考えると、車がある方が大幅に楽です。この記事に書いた「便利さ」の多くは車前提で成立しています。

直売所(発地市庭)は行く価値がありますか?

あります。地元農家の朝採れ野菜が時々驚くほど安く手に入り、敷地内のアトリエ・ド・フロマージュのアイスも子連れの楽しみです。毎日の買い物はツルヤ、週末のお楽しみに発地市庭、という使い分けがおすすめです。

日用品や薬はどこで買いますか?

ツルヤで食材と一緒に済ませるか、町内のドラッグストア(ツルハドラッグなど)を使います。園芸用品・殺虫剤・ペット用品などのホームセンター領域はDCMかカインズ(町内)、規模が必要ならカインズ佐久平です。

まとめ:「何でもある」より「良いものが近い」

軽井沢の買い物は、東京の「何でも近くにある」便利さとは種類が違います。選択肢は確かに少ない。20時で店は閉まるし、チェーン外食は佐久まで行く必要があります。

でも、わが家の日常の買い物の大半を受け止めるツルヤが、東京で使っていた店より安くて、質が高くて、広くて、駐車場が無料。この1軒の水準の高さが、買い物の満足度を決めていました。移住前に覚悟していた「不便な山の暮らし」は、少なくとも買い物に関しては、良い意味で裏切られたままです。

これから移住する人は、生活費の実額と、移住直後の手続きゴミ出しのルールもあわせて確認しておくと、暮らしの立ち上がりがスムーズです。軽井沢移住そのものを迷っている人は、向いている人・向いていない人から読んでみてください。


※ 各店の営業時間・所在地(ツルヤ軽井沢店の営業時間・駐車場486台、デリシア軽井沢店の通常・夏季営業、ツルハドラッグ軽井沢店、ヤオトク、発地市庭、アトリエ・ド・フロマージュ発地市庭店、DCM・カインズ・ヤマダデンキ・ユニクロ佐久北インター店・イオンモール佐久平、町内循環バスの運賃など)は、各社・各施設・軽井沢町の公表情報(2026年7月11日時点)を参照しています。営業時間・取扱商品・価格は変更されることがあります。本文中の価格はわが家の購入時の目安です。買い物の頻度・金額感・使い分け・味の感想は、2024年10月に移住した一家庭の体験にもとづくもので、世帯構成や住むエリアによって最適な運用は異なります。